発熱外来について
現在では、新型コロナウイルスに限らず、様々な感染症が原因で発熱するケースが増えています。当クリニックでは、発熱のあるお子様に対し、症状に応じて新型コロナウイルスの抗原検査をはじめ、インフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルス、溶連菌などの迅速検査を行うことができます。
また、小児の発熱は、中耳炎や手足口病、ヘルパンギーナ、尿路感染症など、多岐にわたる疾患が原因となる場合があります。原因を正しく見極め、早期に適切な治療を行うためにも、早めの受診が大切です。
当クリニックでは、感染対策として一般診察と動線を別にした「発熱外来」を備えており、安心して診察を受けて頂ける環境を整えています。発熱が見られる際は、お気軽にご相談ください。
子どもの繰り返す発熱
乳幼児期は、免疫機能がまだ十分に発達していないため、大人に比べて発熱が起こることが多いです。特に、保育園や幼稚園に通い始めたばかりの時期は、様々なウイルスに触れる機会が一気に増えるため、頻繁に発熱を繰り返すこともあります。
「免疫が弱いのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいますが、これは子どもが少しずつ免疫を獲得していく過程の一部であり、成長のなかで自然に見られる反応です。多くの場合、特別な治療を必要とするものではなく、過度な心配はいりません。
発熱時のチェックポイント
お子様が発熱したとき、すぐに受診するべきかどうか迷うこともあるかと思います。以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 生後6か月未満で、38℃以上の発熱がある
- 痙攣を起こしている、反応が鈍い
- 呼吸が苦しそうに見える
- 食欲がなく、水分摂取量が減り、おしっこの回数が減っている、量が少ない
- 元気がない
- 顔色が悪い
これらに当てはまらない場合でも、普段と違う様子に気づいたときは注意が必要です。「なんとなくおかしい」と感じる保護者の方の直感も、大切なサインの1つです。不安があるときには、どんなことでも構いませんので、遠慮なくご相談ください。
子どもが熱を出す主な原因と考えられる疾患
子どもの発熱の多くは、風邪、中耳炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎、尿路感染症といった感染症によるものです。しかし、発熱が長引く場合や、何度も繰り返している場合には、これら以外(川崎病、リウマチ性疾患など)の原因が隠れていないかどうかを確認する必要があります。
子どもが熱を出したときの対応方法
お子様が発熱したとき、ご家庭で落ち着いて対応できるように、基本的なケアの方法をご案内します。
水分補給
発熱すると、体温の上昇に伴って汗をかきやすくなり、呼吸の回数が増えたりすることで、体内の水分が普段より多く消耗されます。そのため、熱があるときは意識的に水分を補うことが大切です。脱水を防ぐためには、少量ずつでもこまめに水分を摂るように心がけましょう。水分摂取量が少ない時は、ジュースなど糖分を含むものを飲ませましょう。
消化の良い食事
発熱しているときは、無理にいつも通りの食事を摂らせる必要はありません。体調がすぐれないときは食欲が落ちやすいため、無理をさせず、食べられる範囲で消化の良いものを与えるようにしましょう。
具体的には、バナナやリンゴ、ゼリー、柔らかく煮たうどんやおかゆなど、胃腸への負担が少ないものがお勧めです。また、固形物が食べられない場合でも、ジュースやゼリー飲料や、ミルクなどを少しずつ摂取できれば十分です。
体の温め方とクーリングの方法
お子様が発熱しているときは、体の状態に応じた対応が大切です。まず、手足を触って冷たく感じる場合は、まだ熱が上がっている途中です。この段階では寒気を感じていることが多いため、布団やタオルケットなどで体を温めてあげましょう。
一方で、手足まで温かくなり、全身が熱を帯びているように感じられるときは、体温がピークに達し、汗をかき始めるタイミングです。こうしたときには、「クーリング」と呼ばれる体の冷却を行いましょう。具体的には、首や脇の下、脚のつけ根など太い血管が通っている部分を、氷嚢や保冷剤をタオルで包んでやさしく冷やしてあげると、熱を逃がしやすくなり、お子様も楽になります。
また、汗をかいたままにしておくと体を冷やしてしまう原因になるため、気づいたら早めに着替えさせてあげましょう。
よくある質問
子どもの熱が上がったり下がったりしています。病院に連れて行くべきでしょうか?
子どもの体温は、日内変動と呼ばれる自然なリズムの中で変化するのが一般的です。通常、早朝は体温が低く、夕方から夜にかけて高くなる傾向があります。これは、副腎皮質ホルモンと呼ばれる体内の炎症を抑えるホルモンが、朝に多く分泌され、夜には少なくなることが関係しています。そのため、発熱がある場合でも、朝は体温が落ち着いていて、夕方以降に再び上がるというパターンがよく見られます。 また、食事や運動、入浴、授乳などの影響でも一時的に体温が上昇することがあります。加えて、平熱には個人差があるため、普段から1日のうちに何度か体温を測っておくことで、お子様の平熱の目安を知っておくと安心です。
なお、夜間に発熱があっても次のような様子が見られる場合には、緊急性は低いですので、自宅に解熱薬があれば、解熱薬で対応し、翌日の日中に受診してください。
- 食欲があり、水分も摂れている
- おしっこの量や回数が普段と変わらない
- 機嫌が良く、落ち着いている
- 遊んでいる、周囲のものに関心を示している
- よく眠れている
反対に、熱はないのに活気がない、食欲がない、反応が鈍いなどの症状がある時は緊急性の高い疾患が隠れている場合がありますので、すぐに病院を受診する必要があります。
熱があるときはお風呂に入らない方がいいですか?
発熱がある時、熱がなくても感冒症状などがあり元気がない時は入浴を控えるようにしましょう。
発熱がある場合、どのようなときに受診すべきですか?
お子様に発熱が見られた際、次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
- 明らかに元気がない
- 呼びかけに対する反応が鈍く、ぼーっとしている
- 呼吸が苦しそうに見える
- 食事や授乳の量が明らかに減っている
- 高熱ではないものの、機嫌が悪く、泣き止まない状態が続いている
- 発疹が出ている
これらに当てはまらなくても、普段と様子が違う、何となく気になるという保護者の方の感覚もとても大切です。少しでも不安があるときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。
高熱で脳にダメージが残ることはありませんか?
発熱によって脳に障害が残るのではと心配される方もいらっしゃいますが、基本的に心配しすぎる必要はありません。体温は脳がコントロールしており、その働きにより体温が42℃を超えるような状態になることは非常に稀です。したがって、一般的な発熱だけで脳に悪影響が及ぶことはほとんどありません。
ただし、脳自体に感染や炎症が起こった場合には「脳炎」や「脳症」といった病気を引き起こし、脳に障害が残る可能性があります。このような場合は、発熱がきっかけであっても根本的な原因は脳の病変です。
また、発熱とは異なる仕組みで高体温になるケースもあります。例えば、熱中症では体にこもった熱をうまく放出できずに体温が異常に上昇し、脳による体温調節が効かなくなり、42℃を超えることがあります。その場合は脳に深刻なダメージを与え、命に関わる可能性もあります。熱中症が疑われる場合には、ためらわず早めに医療機関を受診してください。
解熱薬はどのように使えばよいですか?
解熱薬は、発熱によるつらさを一時的に和らげるための「対症療法」であり、風邪や感染症そのものを治すお薬ではありません。効果の持続は4〜5時間ほどで、効果が切れれば再び熱が上がることもあります。また、解熱薬には熱を平熱まで下げる力はなく、あくまでも症状を軽くするための補助的な役割です。
そもそも発熱は、体が病原体と戦うために起こす反応であり、病原体の活動を抑える働きがあります。そのため、熱があるからといって必ずしも解熱薬を使う必要はありません。風邪の原因となる病原体は多くの場合ウイルスで特効薬がありません。風邪を早く治すためには、しっかりとした休息と水分や栄養の補給がとても重要です。熱のため、飲食ができない、眠れない状態は回復に影響します。このようなことから、解熱薬を使うタイミングとしては、「高熱でぐったりしている」「機嫌が悪くてつらそうにしている」「熱があって食事を摂りたがらない」「寝苦しそうで何度も目を覚ます」といった様子が見られるときが適しています。このような場合には、解熱薬を使用することで体が少し楽になり、休息や食事がとりやすくなることがあります。
一方で、熱が高くても「機嫌よく過ごしている」「しっかり眠れている」「食事や水分が摂れている」というような状態であれば、無理にお薬を使う必要はありません。